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純白のブラームス [音楽]

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Piano Concerto No. 1 in D minor, Opus 15
Philharmonia Orchestra
Herbert Blomstedt, conductor
Martin Helmchen, piano
(オンデマンドはこちらから。約1ヶ月聴けます。)

先週金曜日の早朝、BBC Radio3でフィルハーモニア管の定期演奏会が放送された。お目当は、ヘルムヒェンが弾くブラームスのピアノ協奏曲第1番だ。ブロンフマン&ヴェルザー=メスト、クリーヴランド管の完成度が極めて高いので、さあどうかなと思いつつチャンネルを回した。

ライブならではの瑕疵はあるし、テクニックはやはりブロンフマンの方が上だと思う。弦に厚みがあって芳醇な響きで魅了するのは、クリーヴランド管だ。それでもなお惹きつけられるのは、その爽やかさにある。純白のブラームス。真っ白なキャンバスをイメージさせる瑞々しい響きに、思わず釘付けになってしまった。若きブラームスの清廉な姿が、鮮やかに蘇ってくるのだ。

爽やかだからといって、淡白なわけではない。火花のように燃え上がるクララへの愛を、ヘルムヒェンは澄み切った音色と深い打鍵で見事に表現する。彼のピアノは本当に音が濁らない。特に印象に残ったのは、第2楽章。ペダリングを駆使しながら、一音一音を噛みしめるように進んでゆく。柔らかで淡い響き。透明なタッチ。ブラームスの秘められた情熱を垣間見るような瞬間が幾度となく訪れた。

オーケストラとピアノと指揮者が同じ方向を向いている演奏ほど気持ちの良いものはないだろう。ヘルムヒェンは、ブロムシュテットさんやドホナーニさんとの共演が多い。おじいちゃんと孫くらいの歳の開きだが、音楽性が近いのかもしれない。ピアノに共鳴するかのように、オケの響きもクリスタルガラスのような清澄さが印象的だった。絹ではなくて木綿のような爽やかさが後を引いた。5月の晴天に映えるブラームスだ。


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