So-net無料ブログ作成

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第15番 [音楽]

IMG_6342.JPG

(秋の青空に映える酔芙蓉)


Beethoven String Quartet No.15 (arranged by Franz Welser-Möst)
Bavarian Radio Symphony Orchestra
Franz Welser-Möst, conductor
June, 2017年

「人は必要な時に必要な人と出会うもの」とよく言われるが、音楽についてもそうではないかと思う。ある曲との出会い、音楽家との出会い、作曲家との出会い。ヴェルザー=メストがオーケストラ用に編曲したベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番を、数ヶ月前に初めて聴いた。そもそも弦楽四重奏曲には馴染みが薄いので、どんなものかと思いながらPCを開いたのだった。旋律美や曲の持つ清らかな空気感に感動することはよくあるのだけれど、今回ばかりは違った。心の中から何かが溢れ出すような感覚に陥ったのだった。ベートーヴェンは当時、腸カタルを患い、作曲を中断せざるを得なくなった。奇跡的に快復を遂げ、作曲を再開する。病からの治癒に感激し、神への感謝を示すために作曲された第3楽章は、神々しい光を放つ感動的な楽章だ。

ヴェルザー=メストとバイエルン放送響の演奏は、ベートーヴェンの心を照らす厳かな光や、彼の溢れんばかりの神への感謝の思いを、聴く者の心へ丁寧に刻印してゆく。今まで生きてきて、生死を彷徨ったことなどないけれど、今自分がこうして生きていること自体が素晴らしいという気持ちが沸き起こる。第3楽章の旋律を聴くたびに、自然と涙が頬を伝って流れ落ちてゆく。薄紙を剥ぐように心が軽くなり、胸の奥底に清らかな光が差し込むのだ。きっと10年前に聴いても何も感じなかったかもしれないが、今の自分には最もふさわしい曲なのかもしれない。

明日、クリーヴランド管の定期演奏会で、この曲が演奏される。WCLVではセヴェランスホールからの生中継が予定されている。ホームグラウンドのオケとどんな演奏を聴かせてくれるのか、今から楽しみでならない。そういえば、この曲は、2016年にブーレーズが逝去した際、追悼の思いを込めてセヴェランスホールで演奏されたのだった。ヴェルザー=メストとクリーヴランド管にとっては、きっと特別な曲に違いない。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。